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なぜ「弱い」チームがうまくいくのか 守り・守られる働き方のすすめ
¥1,760
「弱い人が集まっても弱いチームになるだけだよ」と言われたことがあります……本当にそうでしょうか?私たちの一生は、子どもの頃の環境や経験だけで100%確定されると、まことしやかにささやかれています。でも、私は違うと思うのです。本書は、我欲まみれのチームをつくるために書いたものではありません。チーム内で優劣をつけ、順位を競って成り上がった人が勝者、なんてことも書いてありません。イロやカタチをカッコよくまとめるノウハウは他書にゆずります。あくまで「多様な人と多様なチーム」をつくり、「依存」しあいっこする「ダイバーシティ」を実現するために、今中博之が書き下ろしました。 --- 村木厚子(現元厚生労働事務次官/「若草プロジェクト」代表呼びかけ人) 著者:今中博之 装幀:有山達也+山本祐衣 発行:晶文社 定価:本体1,600円+税 四六判/224ページ 2022年4月25日 第一刷発行 ー 【目次】 はじめに 序章 ソーシャルデザインでチームをつくる 弱さと非差別化するデザイン/意図的で作為的な人ができること/チームとハビトゥス/怒りを抱えるのは、悪いこと?/ギルド的チームをつくる [コラム] 正義のミカタでいたがる態度 第1章 チームにいちばん必要なのは弱さ あなたに似た弱い人/「あれこれ」考える人/トークンな人/助けやすい人/すべてをさらけ出さない人/いつも笑っていない人/「ただ、好き」と言える人 [コラム] 疑念と失望からの企て 第2章 つながりすぎずに共に働く 力をあわせる潮目を知る/社会脳が求めた人数/閉じながら開く/秘密を持ち寄る/切れない約束を求めない/1人で自立してはいけない/バラツキのある社会 [コラム] 小さな、理解の届く集団 第3章 綻びが見えたら、どうするか 中心を中空にする/一匹狼は弱い狼/理知分別が許さない/痛みのある人の傍らに立つ/助けたいと思ったら助けたらいい/私とあなたは違います/待つことは、縛られること [コラム] 「食いっぱぐれなく」生きるために 第4章 リーダーにとって大事なこと 何をしでかすかわからない/蛇のように動く/アジャイルなチームをつくる/あなたの意見は私のもの/専門家としての揺らぎ/4番とエースがリーダーとは限らない/ヘッドコーチの条件 [コラム] 脱輪させない仕組み 第5章 リーダーとメンバーが為すべきこと いったん疑ってみる/願いを伝えるだけ/嘘を受けとる/架橋できる人をつくりだす/距離を縮めるスキル/「ただ喜びあう」だけでいい/仮面の組み合わせ/次のベンチまで歩くんだ 【著者】 今中博之(イマナカヒロシ) 1963年生まれ。ソーシャルデザイナー。社会福祉法人 素王会 理事長。アトリエ インカーブ 代表。大阪大学ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)センター 招へい教授。金沢美術工芸大学 非常勤講師。公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会:文化・教育委員会委員、エンブレム委員会委員。厚生労働省・文化庁:障害者の芸術振興に関する懇談会構成員等。イマナカデザイン一級建築士事務所代表(一級建築士)。 100万人に1人の障がい・偽性アコンドロプラージア(先天性両下肢障がい)がある。乃村工藝社デザイン部に在籍したのち、知的に障がいのあるアーティストが集う「アトリエインカーブ」を設立。著書に『壁はいらない(心のバリアフリー)、って言われても』、アトリエインカーブ物語』、『社会を希望で満たす働きかた』など。 *役職名や所属先のデータはこの書籍が刊行された当時のものです
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壁はいらない(心のバリアフリー)、って言われても。
¥1,760
皆で手をつないで繋がることって本当に必要なの? 壁に「籠る」、壁を「作る」、そして壁を「ときどき壊す」など、あなたを守る壁を壊さないための思考法。20年近く知的に障がいのあるアーティストが集うアトリエ インカーブを運営し、自らも身体に障がいを持つ今中博之が、「バリアフリー(壁をなくせ)」一辺倒の空気が満ちる世界に一石を投じた一冊。 〈重要なのは、今の国際社会のように「壁を立てて協調しない」のではなくて、「壁を立てた上で協調する」にはどうしたらいいのかを考えることです。〉(対談より) ---熊谷晋一郎氏(東京大学先端科学技術研究センター准教授/医師/当事者研究) 著者 今中博之 装幀 坂野公一+吉田友美(welle design) 装画 花松あゆみ 発行 河出書房新社 定価 本体1,600円+税 四六判変形/224ページ 2020年7月30日 第一刷発行 ー [ 目次 ] はじめに 第一章 壁をゼロにしてみる 1 私が花に一致する/2 マジョリティって、誰?/3 椅子からひっぺがさないで/4 イーブンの法則/5 平均人のやるべきこと/6 ややこしいこともやってくる/7 「私」を誰かに依存していく/8 「きちんとする/させる」は誰のため/9 バラバラでも同じ人間です/10 その他大勢に紛れる幸せ 第二章 大きな壁を作ってみる 1 ヒトカタマリの時間をもとう/2 「恐慌ボタン」を押してください/3 ゆっくり引っ張り出す/4 ノーガードの人を殴ってはいけない/5 「仕方がない」は人生の前提です/6 諦めてください/7 さみしさを選ぶ/8 語らなくてもいいんです/9 悲しみを悲しみのままで終わらせない/10 ひとりぼっちなんてない 第三章 顔だけ見えている壁を作ってみる 1 つながりたいけど、切れてもいたい/2 規格外のグローバル人材/3 「そやな」で共存する/4 「お野菜さんが喜ぶね」/5 塩梅のいい配分/6 適当な生活/7 なにもかも「因」しだい/8 ようは、間があく/9 閉じながら開く/10 やっかいで煩わしい小さな人間関係 第四章 つまずく壁を作ってみる 1 摺り足でバランスをとる/2 つまずいた時の身構え方/3 助けたいと思ったら助けたらいい/4 さっさと問題を放り出してみる/5 バラツキが埋め込まれた社会/6 根っこの部分をさらけだす/7 つまずいた仏様/8 あなたの怒りは何ですか?/9 「私の立場」の「中心」をズラす/10 強者のつまずき 第五章 対談×熊谷晋一郎 「一人ひとりで、共に」壁を考える 「物語」と「からだ」の喧嘩/傷に意味を与えてみる/「一本の太い糸」をたぐりよせる/「脆弱性原則」を守るということ/差別はなくなりますか?/アジャイルな組織で痛みをシェアする 第六章 壁をコントロールしてみる 1 自分の手柄だと思い込む/2 見えない規律/3 成長と共生のレール/4 デザインには非差別化する力がある/5 すべての人を等しく扱う暴力性/6 他者に干渉されない/7 一丁前のプロですから/8 そっとしといて欲しいと願う/9 幸せの眺め方/10 ずっとそのままは無いよ 添書き 居心地の悪い壁と、いい壁 1 仏教的なるものを選んだわけ/2 弱者はターゲットじゃない/3 「好意」が排除の芽になる/4 二つの物語/5 人々に代わって苦を受ける/6 ヒルコ・カムバック!/7 欺瞞を抉りだす/8 愚か者だから救われる/9 付近にしか立てない/10 意志はあやふやでいい/11 納まるところに納まる おわりに [ 著者 ] 今中博之(いまなか・ひろし) 1963年京都市生まれ。ソーシャルデザイナー。社会福祉法人 素王会 理事長。アトリエ インカーブ クリエイティブディレクター。公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会:文化・教育委員会委員、エンブレム委員会委員等。厚生労働省・文化庁:障害者の芸術文化振興に関する懇談会構成員、障害者文化芸術活動推進有識者会議構成員等。イマナカデザイン一級建築士事務所代表。金沢美術工芸大学非常勤講師。偽性アコンドロプラージア(先天性両下肢障がい)。1986年~2003年、(株)乃村工藝社デザイン部在籍。2002年に社会福祉法人 素王会 アトリエ インカーブを設立。知的に障がいのあるアーティストの作品を国内外に発信する。ソーシャルデザインにかかわる講演多数。グッドデザイン賞(Gマーク・ユニバーサルデザイン部門)、ディスプレイデザインアソシエイション(DDA)奨励賞、ウィンドーデザイン通産大臣賞など受賞多数。 *役職名や所属先のデータはこの書籍が刊行された当時のものです
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アトリエ インカーブ物語 アートと福祉で社会を動かす
¥990
アトリエ インカーブ代表の今中博之の初著書 『観点変更-なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか-』 が11年を経て文庫化。知的に障がいのあるアーティストが集う「アトリエ インカーブ」では、作品をカテゴライズすることなく、 「現代に生きるアーティストが作るアート」 = 「現代アート」 として発表してきた。世界的評価の高いアーティストを輩出したアトリエは何のために、いかにして誕生したのか? 今中は「たくさんの人に出会い、学びの機会をえた。そして、捨てられ、捨ててきた。残ったのは、デザインと社会福祉と仏教だった」と語る。奇跡の出会いと運命、必然が交錯した二十年の物語が幕をあける。新たに書き下ろした 「今」 の活動や想いを収録した一冊。 「先入観があるという先入観を捨てる」 ---日比野克彦(現代美術家/東京藝術大学美術学部長) 著者 今中博之 装幀 坂野公一+吉田友美(welle design) 装画 新木友行「走り高跳び」 発行 河出文庫 定価 本体900円+税 河出文庫 文庫/304ページ 2020年7月20日 第一刷発行 ー [ 目次 ] 文庫版のための「はじめに」 単行本版「はじめに」 第一章「一〇〇万人に一人」の、私は何者か 原風景 無償の愛/湾曲した足 流れ転じる 鏡に映せないからだ/レーモンド・ローウイとの出会い/自らを受容する 第二章「デザイン」とは何か 喜ぶ姿を見せてはいけない 屈すること、屈しないこと/橋は焼かれた/下品を知る 「オリジナリティ」は必要か 育てられる/オリジナルを追う/引きこもり 第三章「アカデミズム」の呪縛が解ける 二律背反がとけあう 透明な檻/切れかかった蛍光灯 大建築家と郵便配達員とアール・ブリュット デザインの原点に戻るために ―ル・コルビュジェ/天使の梯子 ―シュヴァルの理想宮/初めての恐怖―アール・ブリュット・コレクション アートとデザインは乖離すべし アートとは/デザインの世界に戻る 第四章 なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか 描くことが無性に好きな人たち それを建てれば彼が来る/歪なシステム ―アトリエ万代倉庫/安全な秘密基地/福の神とイマナカデザイン/国家が背負うべきもの 環境を整えるのみ 王としての徳を備えた人/かたのないこと/「一般的なコト」と「特別なコト」/何もしない/育とうとする力 第五章 バイアスを解く 精神科医・式場隆三郎 山下清との出会い/強制された制作意欲/二笑亭綺譚 誤解された対話 外野の騒ぎかた/時代的な齟齬/サイコアナリシスの弊害/作品と作家の関係性 どこの馬の骨 文化面ではなく社会面/学芸員の眼力/デザインされたグッズ/ルールの違い ニューヨークへ 発見者フィリス・カインド/アウトサイダー・アート・フェア/フィリスの審美眼 第六章 現代美術の超新星たち 日本へ帰ろう アート・パトロン/閉じながら開く/コンテンポラリー・アートの先にあるもの 美術館でアトリエ インカーブ展を行う 呪縛からの解放/寺尾勝広/湯元光男/新木友行/武田英治 復讐を受け止める 封じられてきた根源的な権利の奪回/二つの復讐/ネグレクトしてきたもの/「読ませる作品」と「考えさせる作品」と「感じさせる作品」 第七章 アトリエ インカーブの展開 流れて価値がでる ギャラリー インカーブ/1/1と1/25/経済的価値と文化的価値/著作権を守る パーマネント・コレクション 流す価値、留める価値/四つの理由/意味を与える行為 金平糖の先っぽ コンテンツとシステム/感じるこころ/金平糖の先っぽ/見世物小屋なのか/「生きがい」と「就労」と「イチロー」 第八章「インカーブのようなところ」をつくる 情に報いる “余剰”/奪われた理論的な抗弁/報いを求めない これからの教育 インカーブのようなところ/人材を掘り起こすためのシステム/寺尾が教壇に立つ/「話す能力」と「聞く能力」/ギャップ・イヤー 「公」が守り「民」が育てる ダブル・アシスト/専門的就労 第九章 社会性のある企て 観点変更とデザイン 小さな点/インカーブのポジション/空想は知識より重要である/文字らしきもの/ウィリアム・モリスの企て/客観写生 普通なしあわせ 拍手をおくるしあわせ/コントロールできること、できないこと/普通なしあわせ 単行本版「あとがき」 文庫版のための「補論」 文庫版のための「あとがき」 解説 静かでおだやかなこの物語を紡いでゆく 神谷梢 [ 著者 ] 今中博之(いまなか・ひろし) 1963年京都市生まれ。ソーシャルデザイナー。社会福祉法人 素王会 理事長。アトリエ インカーブ クリエイティブディレクター。公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会:文化・教育委員会委員、エンブレム委員会委員等。厚生労働省・文化庁:障害者の芸術文化振興に関する懇談会構成員、障害者文化芸術活動推進有識者会議構成員等。イマナカデザイン一級建築士事務所代表。金沢美術工芸大学非常勤講師。偽性アコンドロプラージア(先天性両下肢障がい)。1986年~2003年、(株)乃村工藝社デザイン部在籍。2002年に社会福祉法人 素王会 アトリエ インカーブを設立。知的に障がいのあるアーティストの作品を国内外に発信する。ソーシャルデザインにかかわる講演多数。グッドデザイン賞(Gマーク・ユニバーサルデザイン部門)、ディスプレイデザインアソシエイション(DDA)奨励賞、ウィンドーデザイン通産大臣賞など受賞多数。 *役職名や所属先のデータはこの書籍が刊行された当時のものです
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共感を超える市場 つながりすぎない社会福祉とアート
¥2,200
17年にわたって知的に障がいのあるアーティストたちの創作活動を支援してきた アトリエ インカーブは、現代アートとして作品を発表・販売し、彼ら/彼女らが アーティストとして独立することを目指しています。2017年9月、「ATELIER INCURVE in ART FAIRS 障がいのあるひとの創作と市場」と 題したシンポジウムを行いました。 本書はその講演録に加筆し、障がいのある人がクリエイティヴィティによって社会的・ 経済的に自立へ向かう姿を描き出し、障がいのあるなしに関わらず、人がその人らしくはたらく・生きる可能性を探ります。 東京大学大学院経済学研究科の松井彰彦教授は、市場は〈弱肉強食〉や〈競争〉のイメージがある一方で〈自立〉を助ける場でもあると語ります。本シンポジウムでは、松井教授に「市場の力」について基調講演をいただき、アトリエ インカーブ代表の今中博之と「市場×福祉」をテーマに対談しました。シンポジウム講演録に加え、作品を市場につなげるノウハウをまとめたヒント集も収録。 障がいのある人の創作活動を支える皆さまに、理論や想い、実践などさまざまな角度から読んでいただきたい一冊です。 ◯好きな人がいれば手を組めばいいし、嫌いな人なら手を切ればいい。選択肢の多い市場では「差別をしない取引」が可能です。つまり、市場の中には社会的に弱い人だから差別をするという行動規範は薄いのです。ゆえに、しがらみも少ない。だからこそ市場は、国を超えて人と人をつなげていくのです。 (今中博之「あとがき」より) 編著 アトリエ インカーブ 装幀 八木良治(有限会社 八木デザイン) 発行 ビブリオ インカーブ 発売 メディアパル 定価 本体2,000円+税 四六判並製/208ページ 2019年9月24日 第一刷発行 ー [ 目次 ] まえがき「共感の先にあるもの」神谷梢 第一章 「共感の社会福祉を超えたアート市場へ」神谷梢 障がいとアートが市場に接続する/障がいを観点変更する/支援者・教育者としてのアーティスト/アートと社会福祉の両輪をたずさえるスタッフ/閉じながら開く 第二章 講演「アトリエ インカーブの立点」今中博之 アトリエ インカーブの設立前夜/なぜ、障がい者の創作活動が注目されてきたのか/障がい者の創作活動における国の動向/作品制作と日常生活が共存するアトリエ インカーブ/アーティストと社会をつなぐスタッフ/アーティストと作品をどうアウトプットするか/市場は作品を「価値化」する/民間の視点から社会福祉を見る/山高ければ、裾広し/障がいを「くるりんぱ」する 第三章 基調講演「市場の力」松井彰彦 経済・経済学ってなに?/「経済学」とEconomicsの語源/高校までの経済学、大学・大学院での経済学/市場は弱肉強食のジャングルか/市場に集まる人/市場とは/自立した人は強い人か? 第四章 報告「国内外のアートフェア」林智樹・三宅優子 アートフェアってなに?/ニューヨーク「アート・オン・ペーパー」報告/東京「アートフェア東京」報告/日常の制作からアートフェア出展に至るまで 第五章 対談「市場×福祉」松井彰彦・今中博之 市場の匿名性/自分で「フラッグ」を立てる/新しい公と民のコラボレーション/市場との接続を図るために必要な仕掛け/コミットメント=信念 Q&A 作品を市場につなげるためのヒント集 あとがき「閉じながら〝ときどき〟開く」今中博之 [ シンポジウム登壇者・著者 ] 松井彰彦(まつい・あきひこ) 経済学者/東京大学大学院経済学研究科教授。専門はゲーム理論とそれを応用した社会的障害の分析。2002年日経・経済図書文化賞(著書『慣習と規範の経済学』に対して)、2006年日本学術振興会賞及び日本学士院学術奨励賞、2007年日本経済学会中原賞を受賞。主な著作に『慣習と規範の経済学─ゲーム理論からのメッセージ』(東洋経済新報社)、『市場の中の女の子─市場の経済学・文化の経済学』(PHP研究所)、『不自由な経済』(日本経済新聞出版社)などがある。共著に『障害を問い直す』(東洋経済新報社)などがある。 今中博之(いまなか・ひろし) 社会福祉法人 素王会 理事長/アトリエ インカーブ クリエイティブディレクター。公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会:文化・教育委員会委員等。厚生労働省・文化庁: 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた障害者の芸術文化振興に関する懇談会構成員等。イマナカデザイン一級建築士事務所代表。金沢美術工芸大学非常勤講師。偽性アコンドロプラージア(先天性両下肢障がい)。グッドデザイン賞など受賞歴多数。 アトリエ インカーブ 著書に『かっこいい福祉』(左右社) 『社会を希望で満たす働きかた─ソーシャルデザインという仕事』(朝日新聞出版) 『観点変更─なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか』(創元社)など。 神谷梢(かみたに・こずえ) 社会福祉法人 素王会 理事/アトリエ インカーブ チーフディレクター。法人の設立に携わり、アーティストの日常生活と創作活動をサポートしながら法人運営全般に従事している。社会福祉士・学芸員・保育士資格を有する。著書に『アトリエ インカーブ─現代アートの魔球』(創元社)がある。 林智樹(はやし・ともき) アトリエ インカーブ チーフ。ギャラリー インカーブ|京都(インカーブ専属のコマーシャルギャラリー)の立ち上げに携わり、作品の管理や国内外のアートフェア業務を担当。社会福祉士・学芸員の資格を有する。 三宅優子(みやけ・ゆうこ) アトリエ インカーブ チーフ。国内外のアートフェア出展申請・展示プラン作成・現場対応などの業務に携わる。グラフィックデザインを担当。社会福祉士・学芸員の資格を有する。 *役職名や所属先のデータはこの書籍が刊行された当時のものです
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かっこいい福祉
¥1,870
低賃金、重労働、人手不足…… 福祉の仕事は他の業界に比べ、なぜ低く見られてしまうのか? 厚生労働事務次官を務め、現在は生きづらさを抱える少女・若い女性を支援する若草プロジェクト代表呼びかけ人の村木厚子さん。自らも100万人に一人の先天性障がいがあり、知的に障がいのあるアーティストが集うアトリエインカーブを運営する今中博之。「制度」と「現場」の両側からが、「かっこいい福祉」を実現するにはどうするべきかを縦横無尽に語り合います。社会福祉に携わるすべての人へ、エールを送る一冊です。 「自力と他力、内閉と開放、市場と制度ーフクシの葛藤は生の葛藤だ。 二人のプロフェッショナルが繰り広げる、手に汗にぎる次世代福祉論!」 ---熊谷晋一郎(東京大学先端科学技術センター教授、小児科医) 著者 村木厚子 今中博之 写真 新田桂一(ota office) 装幀 松田行正+杉本聖士 発行 左右社 定価 本体1700円+税 四六判並製/200ページ 2019年9月24日 第一刷発行 ー [ 目次 ] はじめに 第一章 社会には「かっこいい福祉」が必要だ 行政はJKビジネスのスカウトに負けている 村木厚子 福祉をめぐるふたつのバリア 今中博之 対談 制度のバリアフリー 福祉と民間をつなぐ言葉/障がい者雇用の分断と嫉妬/福祉の外からのアプローチ/ 「下から目線」からの脱却/スタッフは「褒めない」努力をする/福祉業界のお金アレルギー/ 「選ばれる」施設とは?/成功しすぎた反薬物キャンペーン/ドライな支援とサードプレイス/SNSでつながる糸 第二章 困難を抱えた私たちが自立するまで 生きていくにはデザインしかない 今中博之 対談 与えられた環境と努力 生まれてすぐの記憶/家族から与えられたもの/ポジションを考える/学校生活で得たもの/ 「みんなと一緒」になじめず/「勝ちグセ」は人生を豊かにする 目標は「自分で食べていく」こと 村木厚子 第三章 福祉の世界で働くあなたへ 対談 これからの福祉を考える 福祉におけるプロの定義/どうして資格は必要か/「自分たちの問題」と思えるかどうか/離職率が高い理由/ 小さな視点と大きな視点/お金の使い方は革新のエネルギー/経営者は労働環境をどう整えるか/ 福祉的感覚と経営感覚のバランス/技術の進歩で変化するケア/下積みの時期をどう過ごすか/ 閉じながら外の世界へ開いていく/これからの福祉に必要なこと 「制度にない」を「制度にする」に 村木厚子 「わかりあえない」から始まる福祉 今中博之 [ 著者 ] 村木厚子(むらき・あつこ) 1955年高知県生まれ。土佐高校、高知大学卒業。78年労働省(現厚生労働省)入省。 女性政策、障がい者政策、働き方改革や子ども政策などに携わる。郵便不正事件で有印公文書偽造等の罪に問われ、 逮捕・起訴されるも、2010年無罪が確定、復職。2013年から15年まで厚生労働事務次官を務め退官。 現在は、津田塾大学や社会事業大学専門職大学院で客員教授を務めるほか、伊藤忠商事(株)、SOMPOホールディングス(株) および住友化学(株)の社外取締役を務める。また、累犯障がい者を支援する「共生社会を創る愛の基金」の顧問や、 生きづらさを抱える少女・若年女性を支援する「若草プロジェクト」の代表呼びかけ人として、NPO活動に携わるとともに、 住宅確保に困難を抱える者のための居住支援や農福連携の普及に携わっている。 若草プロジェクト 著書に、『日本型組織の病を考える』(角川新書)『あきらめない』(日経BP)などがある。 今中博之(いまなか・ひろし) 1963年京都市生まれ。ソーシャルデザイナー。社会福祉法人 素王会 理事長。アトリエ インカーブ クリエイティブディレクター。 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会:文化・教育委員会委員、エンブレム委員会委員等。 厚生労働省・文化庁:障害者の芸術文化振興に関する懇談会構成員、障害者文化芸術活動推進有識者会議構成員等。 イマナカデザイン一級建築士事務所代表。金沢美術工芸大学非常勤講師。偽性アコンドロプラージア(先天性両下肢障がい)。 1986年~2003年、(株)乃村工藝社デザイン部在籍。2002年に社会福祉法人 素王会 アトリエ インカーブを設立。 知的に障がいのあるアーティストの作品を国内外に発信する。ソーシャルデザインにかかわる講演多数。 グッドデザイン賞(Gマーク・ユニバーサルデザイン部門)、ディスプレイデザインアソシエイション(DDA)奨励賞、 ウィンドーデザイン通産大臣賞など受賞多数。 アトリエ インカーブ 著書に『かっこいい福祉』(左右社) 『社会を希望で満たす働きかた─ソーシャルデザインという仕事』(朝日新聞出版) 『観点変更─なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか』(創元社)など。 *役職名や所属先のデータはこの書籍が刊行された当時のものです
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社会を希望で満たす働きかた ソーシャルデザインという仕事
¥1,760
100万に1人といわれる先天的な障がいのある私は、なぜ「デザイナー」になったのかーー。 それは、障がい者と健常者が共に希望を見出し「意図的な企て」を実行するためだった。デザインは常に職業や階級を差別化するために使われてきたという歴史がある。しかしデザインに差別化する力があるなら、「非差別化する力」もあるはずだ。社会福祉法人を立ち上げ、現在は東京2020組織委員会文化・教育委員を務める今中博之が、ソーシャルデザインについて思考を深め、書き上げた一冊。 著者 今中博之 装幀 水戸部功 発行 朝日新聞出版 定価 本体1,600円+税 四六判並製/240ページ 2018年10月19日 第一刷発行 ー [ 目次 ] はじめに − ソーシャルデザインという仕事は「社会的課題」を「希望」に変えることだ 第一章 ソーシャルデザイナーの仕事 「デザインと福祉」をつなぐ 水と油と見なされてきた「市場と福祉」/「経済なき道徳は戯言であり、道徳なき経済は犯罪である」 隣にいる「ふつうではないとみなされる人」とコミュニケーションをとる 障がいとは、社会の環境が整わないこと 「ふつうの人の意識を変えるデザイン」が求められている ソーシャルデザイナーの最もシビれる企て 「経済原理」と「道徳原理」の融合を目指して インカーブのアーティストの作品への評価/障がい者の社会参加の障壁となっているもの 第二章 ソーシャルデザインは「コノユビトマレ」から始まる インカーブがおこなっている「コノユビトマレ」 作品の尊厳を傷つけない「美術館」での発表/アーティストのみで作った作品を市場に出す 消せないジレンマを丸抱えにして行動を起こす 「閉じながら開く」と「タフさとラフさ」 デザインの思考や手段で「生活の困りごと」を解消する 「コノユビトマレ」で問題を可視化していく/身の丈にあったネットワークをつくる 第三章 「ソーシャルワーク」から「ソーシャルデザイン」を考える 利益追求を第一義にせず、「社会貢献」をおこなう 社会を「希望」で満たすためのコミュニティ 共感力を反映できるのは一五〇人 デザインは狭義と広義に分けて考える 「障がい者のための社会福祉事業」を興すことも、広義のデザイン/永続的な社会貢献と商いを絡めて考える/「ソーシャルデザイン」と「コミュニティデザイン」 「価値のある社会的企て」をデザインする 「残りの九〇%のためのデザイン」 ソーシャルデザイナーに必要な能力①─「社会的課題」を「発見」する能力る 怒りが生まれてくる課題を発見する/「仏教抜きの経済学は愛のないセックス」 ソーシャルデザイナーに必要な能力②─「バランスの良い」意図的な企て 「孤独を手に入れる」ことの意味 ソーシャルデザイナーに必要な能力③─課題を「整理整頓」する能力 「可視化する能力」の身につけかた ソーシャルワークとソーシャルデザインに共通する課題 ソーシャルワークが実践の対象とする三つの領域/「公的責任から自己責任への転換」に抗う 第四章 デザイナーは本来、「社会改良者」である 近代デザインの祖、ラスキン 不完全でないならば、それは良いものではない/「固有価値」は、自由な創造的活動から生まれる 詩人、デザイナー、社会改良者のモリス 「生活と芸術の一致」を主張し、芸術からの社会改革を訴えた/コミュニティを拡大・発展させ、社会運動へと変化させる トインビーとセツルメント運動 貧困層や労働者とともに生活をする「セツルメント運動」/インカーブは「矛盾に満ちた社会的実験」と呼ばれた/トインビーがセツルメント運動にかけた思い 第五章 「デザイン」と「アート」の境界線を考える 真綿に包まれた「劣等性」という幸運 「人を慮ること」から生まれるデザイン デザイナーは共同体の中で生きる デザインの仕事は個人ではできない 「私のデザイン」と呼べるものを探して 驚きも感動もなかった「デザインのお手本」 「アート」だけが「オリジナル」を生む アートとデザインの違いを教えてくれた「シュヴァルの理想宮」 デザイナーは共同体のためにチームを組む デザインは他者のためにつくり出すもの/「私たち」でチームを組んでケアを行う理由 第六章 「熱い胸」と「冷たい頭」をもった組織を目指す インカーブはアーティストを支援する組織 インカーブのアーティストに立ちはだかる「壁」/私たちの「マインド・バグ」を発動させないための組織づくり 「なんとなく、分かる」ゆらいだ状態を受け入れる クライアントとの信頼関係を築くために必要なこと 身の丈にあった「組織のサイズ」を考える 仲間のような集団「タリアセン・フェローシップ」/アルバイト・パートなどで相互扶助制度を完成させることは難しい/福祉は、小さな単位においてこそ実現可能 「クライアント」と「デザイナー」の距離を考える インカーブには「先生」も「教えること」も「指導」も存在しない/デザイナーや支援者の善意の暴走を起こさせないために 「熱い胸」だけで突き進むと、大きな判断ミスを誘発する 「小さな、理解の届く集団」なら「中道」をつくり出せる/「少欲にして足るを知る」ための処方箋 第七章 「社会福祉法人」を使い倒す 社会福祉法人の仕組み 社会福祉法人は、「公の支配」の下で福祉・慈善事業をおこなう/社会福祉法人格の取得という、意味のある企て なぜ社会福祉法人にこだわるのか? 「より安定的」な運営を可能にするために社会福祉法人は「公と共と私」をつなぐもの 「閉じながら開く」組織がもつ力 「言葉なき言葉」を理解するために/組織は「自分のためだけの言語」を獲得する場所でもある 公務員や政治家とも協働する 厚生労働省と文部科学省をつなぐデザイン 第八章 「公と民の新しいコラボレーション」を模索する 「経済学」も「社会福祉学」も目指すところは同じ 人間は自らの行動原理に従う 「悪気のない善意」に抗する アール・ブリュットは、既存のアカデミズムへの異議申し立て/デザイナーが担う職業的使命 「普遍性のある企て」をデザインする 一般的な「日本のソーシャルデザイン」との違い/取引することでお互いがハッピーになるのが市場 「市場のルール」と「専門的就労」を尊重した分業が望ましい 「市場の匿名性」と「市場のルール」を活用する/すべての人間が多くの他者に依存している/市場の中では解決できない種類の分業もある 二段ロケット―「公と民の新しいコラボレーション」 「公」による下支えの力を借り、市場に打って出る/「公」が守り「民」が育てる「ダブル・アシスト」/ソーシャルデザインは「私」の問題を普遍化する 第九章 ソーシャルデザイナーが直面するジレンマ 「ケアとコントロール」から生じるジレンマ 「外へ向かう仕事」と「内へ向かう仕事」/「コンテンツ=作品」の尊厳を傷つけてはいけない インカーブによる「ラディカルな実践」 それぞれの身の丈にあった仕事をおこなえばいい/この世で愛でられる時間を長くする ローカルを射程に入れて、行動する インド発「ユニバーサルデザインの新五原則」/ソーシャルデザインの未来はローカルにある 福祉領域への参加者を増やす試み 「アートと福祉」をつなぐプラットフォームづくり/「おなじ釜の飯」プロジェクトと輪読会 ソーシャルデザイナーは当事者ではない トラウマ的なできごとは「困りごと」の原点/スピリチュアルな部分に分け入る覚悟をもつ 第一〇章 「ふつうではないとみなされる人」と「ふつうの人」の境界線を越えて デザインには非差別化する力もある 「社会福祉の市場化の限界点」を越えていくために/デザインの創造性は「問い」にかかっている ソーシャルデザイナーによるエンパワーメントは可能か エンパワーメント理論に対する違和感/ソーシャルデザイナーに向けられた問い/同じ地平に立つ「われら」は、その時が来るのをじっと待つ 「障がい者文化」も「ふつうの文化」として社会に提出する スティグマは、社会の標準や基準から外れることによって生まれる/「ふつうではないとみなされる人」は社会のマジョリティになりつつある/国の施策を手なずけることも、デザイン 「希望の仕組み」を新たに企てよう あくまで神はディテールに宿っている/デザインは、そもそも「社会性のある企て」 あとがき [ 著者 ] 今中博之(いまなか・ひろし) 1963年京都市生まれ。ソーシャルデザイナー。社会福祉法人 素王会 理事長。アトリエ インカーブ クリエイティブディレクター。 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会:文化・教育委員会委員、エンブレム委員会委員等。 厚生労働省・文化庁:障害者の芸術文化振興に関する懇談会構成員、障害者文化芸術活動推進有識者会議構成員等。 イマナカデザイン一級建築士事務所代表。金沢美術工芸大学非常勤講師。偽性アコンドロプラージア(先天性両下肢障がい)。 1986年~2003年、(株)乃村工藝社デザイン部在籍。2002年に社会福祉法人 素王会 アトリエ インカーブを設立。 知的に障がいのあるアーティストの作品を国内外に発信する。ソーシャルデザインにかかわる講演多数。 グッドデザイン賞(Gマーク・ユニバーサルデザイン部門)、ディスプレイデザインアソシエイション(DDA)奨励賞、 ウィンドーデザイン通産大臣賞など受賞多数。 アトリエ インカーブ 著書に『かっこいい福祉』(左右社) 『社会を希望で満たす働きかた─ソーシャルデザインという仕事』(朝日新聞出版) 『観点変更─なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか』(創元社)など。 *役職名や所属先のデータはこの書籍が刊行された当時のものです
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アトリエ インカーブ 現代アートの魔球
¥1,980
左眼をアートに、右眼を福祉に、この「魔球(インカーブ)」を追う−−。 これまで障がいがある人の作品は「障害者アート」や「アウトサイダー・アート」としてくくられてきたが、アトリエ インカーブは「現代アート」と捉える立場から、知的障がいがあるアーティストの活動を支えてきた。インカーブのチーフディレクターが、その日常を紹介しながら、アートと福祉について考える。建畠晢・国立国際美術館館長、秋元雄史・金沢21世紀美術館館長、南嶌宏・女子美術大学教授ら現代アート界のオーソリティの含蓄ある言葉も紹介。 「美術館というのは決してフェアじゃない」---建畠晢(国立国際美術館館長) 「現代美術のおもしろさは加われること」---秋元雄史(金沢21世紀美術館館長) 「これはアウトサイダー・アートではない」---南嶌宏(女子美術大学教授) 監修 今中博之 著者 神谷梢 装幀 今中博之 発行 創元社 定価 本体1,800円+税 四六判並製/220ページ(カラー2ページ) 2010年5月20日 第一刷発行 ー [ 目次 ] はじめに 今中博之 第一章 アトリエ インカーブのこと 現代アートの超新星たち/出逢い/嘘とやきもち/私の夢は/キャッチャー/スタッフの条件/何も教えない/評価しない/見出しはいつも「障害者アート」/先入観/レッテルの功罪/葛藤のはじまり/「僕は扱いたいと思わない」/アウトプットの準備/自由と干渉/おだやかな日常を/作品とその背景 第二章 アートで日本が動く アートではたらく/そのアートを何と呼ぶか/立ち位置/障害者アートの背景/専門の美術館?/逆差別/インカーブのようなことを/覚悟はあるか 第三章 橋下知事と寺尾勝広 橋下知事ビデオメッセージ/寺尾勝広&橋下知事(ビデオ)オープニングトーク 第四章 現代アートとして語る —トークセッション「現代アートの新たな視点」 見る側の勇気が試される/アートの世界では障がい者ではない/山高ければ裾広し/開かれた美術館/繊細な心が束になったときの強さ/すべてが同時に共存する社会/「これは売っていますか」/美術教育の中の差別/マーケットという格差社会/美術館の転換 第五章 アート界のイチローを発掘する —シンポジウム「アートが拓く障がい者の世界」 「イチローを目指す取り組み」と「裾野の広がり」/僕がみることのできない世界/アートとコマーシャル/歪なシステム/企業のアート支援/全部インカーブのようだと困る/政府がアートをサポートする/金平糖の先っぽ/スポンサーでなくパートナーとして/文化と福祉が結びつく/公と民のちから 第六章 カテゴリーからの解放 カテゴリーからの解放/寛容な作品/ダイバーシティ/ヒエラルキーを捉えなおす/美術館のコレクション/宣言する展覧会/美大の子とどう違うの?/商人の町/ボトムアップとプルアップ/素敵な偶然/草間彌生と寺尾勝広 第七章 ふたつの眼 現代アートとして選ぶ/現代アートへの逆の偏見/加わっていくおもしろさ/生きがいとプロフェッショナル/メッセージとプロパガンダ/ギャラリストの仕事/ギャラリー インカーブ再び/ブレーキ/ふたつの眼/普通なしあわせ おわりに [ 著者 ] 神谷梢(かみたに・こずえ) 社会福祉法人素王会アトリエ インカーブ チーフディレクター。 学芸員。社会福祉士。 一九七六年神戸市生まれ。アトリエ インカーブ前身の無認可作業所時代からスタッフとなり、社会福祉法人素王会の立ち上げから、アトリエ インカーブのこれまでの事業運営、企画展開の重要な一端を担う。芸術・福祉のみならず、さまざまな視点をもちながら、所属アーティストにとってのしあわせを日々追求している。 アトリエ インカーブ 著書に『アトリエ インカーブ——現代アートの魔球』(創元社) *役職名や所属先のデータはこの書籍が刊行された当時のものです
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観点変更 なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか
¥1,760
アトリエ インカーブはアートに特化した知的障がい者のための通所施設。「障害者アート」のイメージを打ち破り、アート界のイチローを輩出、マスコミは常にその動静を追う。なぜアトリエ インカーブは誕生したのか、一流デザイナーだった著者が福祉の世界に飛び込んだわけ、福祉と市場の葛藤など、「観点変更」によって自らの人生と社会を変えてきた著者がその軌跡を鮮烈に語る。女優・山口智子さんも心酔する作品をカラーで紹介。 「初めて心が動くアートに出会えました。」---山口智子(女優) 「これはアートへの復讐である。」---南嶌宏(第53回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナー) 著者 今中博之 装幀 今中博之 発行 創元社 定価 本体1,600円+税 四六判並製/304ページ(カラー16ページ) 2009年9月10日 第一刷発行 ー [ 目次 ] はじめに 第一章「一〇〇万人に一人」の、私は何者か 原風景 無償の愛/湾曲した足/「ひきこもれ」 流れ転じる 鏡に映せないからだ/レーモンド・ローウイとの出会い/虚勢と反抗/自らを受容する 洞察と発見 「素志」と「思う」こと/「助けてくれ」/自己矛盾/コンプレックスを知る 第二章「デザイン」とは何か 喜ぶ姿を見せてはいけない 屈すること、屈しないこと/橋は焼かれた/下品を知る モノとしての傷跡を残 育てられる/靴を舐めてでも/われ、ただ足るを知らず 「オリジナリティ」は必要か 杖でアクセルを押す/オリジナルを追う/二回目の引きこもり 第三章「アカデミズム」の呪縛が解ける 二律背反がとけあう 透明な檻/切れかかった蛍光灯 大建築家と郵便配達員とアール・ブリュット デザインの原点に戻るために ―ル・コルビュジェ/天使の梯子 ―シュヴァルの理想宮/初めての恐怖―アール・ブリュット・コレクション アートとデザインは乖離すべし アートとは/デザインの世界に戻る 第四章 なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか 描くことが無性に好きな人たち それを建てれば彼が来る/「布袋」のような人たち/歪なシステム ―アトリエ万代倉庫/安全な秘密基地/福の神とイマナカデザイン/国家が背負うべきもの 環境を整えるのみ 王としての徳を備えた人/かたのないこと/合理化してはいけない場所/「一般的なコト」と「特別なコト」/何もしない/育とうとする力 第五章 バイアスを解く 精神科医・式場隆三郎 山下清との出会い/強制された制作意欲/二笑亭綺譚 誤解された対話 外野の騒ぎかた/時代的な齟齬/サイコアナリシスの弊害/作品と作家の関係性 どこの馬の骨 文化面ではなく社会面/学芸員の眼力/デザインされたグッズ/ルールの違い ニューヨークへ 発見者フィリス・カインド/アウトサイダー・アート・フェア/フィリスの審美眼 第六章 現代美術の超新星たち 日本へ帰ろう アート・パトロン/閉じながら開く/コンテンポラリー・アートの先にあるもの 美術館でアトリエ インカーブ展を行う 呪縛からの解放/寺尾勝広/湯元光男/吉宗和宏/新木友行/武田英治 復讐を受け止める 封じられてきた根源的な権利の奪回/二つの復讐/ネグレクトしてきたもの/「読ませる作品」と「考えさせる作品」と「感じさせる作品」 第七章 アトリエ インカーブの展開 流れて価値がでる ギャラリー インカーブ/1-1と1-/経済的価値と文化的価値/著作権を守る パーマネント・コレクション 流す価値、留める価値/四つの理由/意味を与える行為 金平糖の先っぽ コンテンツとシステム/感じるこころ/金平糖の先っぽ/見世物小屋なのか/「生きがい」と「就労」と「イチロー」 第八章「インカーブのようなところ」をつくる 情に報いる “余剰”/奪われた理論的な抗弁/報いを求めない これからの教育 インカーブのようなところ/人材を掘り起こすためのシステム/寺尾が教壇に立つ/「話す能力」と「聞く能力」/ギャップ・イヤー/アウトリーチの罪 「公」が守り「民」が育てる ダブル・アシスト/専門的就労/しあわせ特区 第九章 社会性のある企て 観点変更とデザイン 小さな点/インカーブのポジション/空想は知識より重要である/文字らしきもの/ウィリアム・モリスの企て/客観写生 普通なしあわせ 拍手をおくるしあわせ/コントロールできること、できないこと/普通なしあわせ おわりに [ 著者 ] 今中博之(いまなか・ひろし) 社会福祉法人素王会理事長。アトリエ インカーブ クリエイティブディレクター。イマナカデザイン一級建築士事務所代表。一級建築士。大阪成蹊大学芸術学部情報デザイン学科准教授。一九六三年京都市生まれ。偽性アコンドロプラージア(先天性両下肢障がい)。一九八六年〜二〇〇〇年、株式会社乃村工藝社デザイン部在籍。企業ショールーム、国際博覧会などのデザインにとどまらず、介護・医療施設、児童施設、障がい者施設などのディレクション活動を展開。自らの体験をとおした独自の視点で社会福祉法人の経営企画・空間設計、企業や自治体のプロジェクトに数多く参画。文部科学省・厚生労働省の懇談会においてソーシャルデザインにかかわる提案をおこなう。アトリエ インカーブでは、知的に障がいがあるアーティストの作品を日本とアメリカを拠点に発信している。 アトリエ インカーブ 著書に『かっこいい福祉』(左右社) 『社会を希望で満たす働きかた─ソーシャルデザインという仕事』(朝日新聞出版) 『観点変更─なぜ、アトリエ インカーブは生まれたか』(創元社)など。 *役職名や所属先のデータはこの書籍が刊行された当時のものです
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ATELIER INCURVE in ART FAIRS
¥3,080
2016年度に開催されたニューヨークの「アート・オン・ペーパー」と「アートフェア東京」に出品した4名の最新作を含む全75作品を収録。アーティストの作品を「現代アート」として位置付け、「市場性」を問うた記録でもあります。また、インカーブの活動について、経済界・美術界の有識者への寄稿やインタビューも掲載。 (日本語・英語 バイリンガル版/カラー・モノクロ・116P・変形判) 出版社: ビブリオ インカーブ 発行日: 2017年3月31日
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TERAO, SHINKI, YUMOTO from Atelier Incurve
¥1,870
2012年9月、東京オペラシティアートギャラリー「[特別展示]寺尾勝広・新木友行・湯元光男 ─ アトリエ インカーブ3人展 TERAO, SHINKI, YUMOTO from Atelier Incurve」の展覧会図録。 寺尾勝広が半年をかけて制作した大作2点など、展覧会初出品の最新作を含む全93作品を収録。 日本語・英語 バイリンガル版/オールカラー・64P・変形判 出版社: ビブリオ インカーブ 発行日: 2012年9月10日
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Atelier Incurve Exhibition at Hamamatsu Municipal Museum of Art
¥1,650
2010年春、浜松市美術館で開催された「アトリエ インカーブ展」の展覧会図録。 海外でも話題のアーティスト達に加え、これまで未発表であった新星3名が登場。 初の国内美術館デビューとなった。アーティスト7名の最新作を含む全55作品収録。 日本語・英語 バイリンガル版/オールカラー・56P・変形判 出版社: ビブリオ インカーブ 発行日: 2010年2月20日
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Atelier Incurve Exhibition at Suntory Museum
¥3,520
2008年にサントリーミュージアム[天保山]で開催された「現代美術の超新星たち アトリエ インカーブ」展の展覧会図録。既存の枠組みを軽やかに飛び越えるような、 大胆で鮮烈な作品を生み出すアトリエ インカーブのアーティストたち。彼らの作品 はいち早くニューヨークで脚光を浴びた。日本の美術館で初の展覧会となる本展は、 わずか12日間という会期中に6000名を超える入場者数を記録した。全74作品収録。 日本語・英語 バイリンガル版/オールカラー・124P・変形判 出版社: ビブリオ インカーブ 発行日: 2008年1月22日
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ATELIER INCURVE
¥5,029
2005年冬。氷点下のニューヨークに綺羅星のごとく現れたアトリエ インカーブの アーティストたち。ニューヨークでも屈指のフィリス・カインド・ギャラリーと 契約を結び、彼らは鮮烈なデビューを果たしました。現代美術家キキ・スミスも 彼らの作品をコレクションしています。フィリス・カインドお気に入りの5人の アーティスト70作品を収録。 日本語・英語 バイリンガル版/オールカラー・112P・変形判 出版社: ビブリオ インカーブ 発行日: 2006年11月10日
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atelier incurve TERAO × SHINKI × TAKEDA [DVD]
¥2,530
大阪にある小さなアトリエからニューヨークへ —。アトリエ インカーブには、27名のアーティストが所属している。ニューヨークで話題になり、国内では毎年のように各地の現代美術館で展覧会が企画されている。そんな現代アートの超新星、寺尾勝広・新木友行・武田英治の作品が生まれる軌跡を追った。 DVD/40min./COLOR/英語字幕/16:9 LB NTSC ALL/STEREO/MPEG-2 発売・販売: アトリエ インカーブ 発売日: 2011年4月5日